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大豆タンパクの血中コレステロール低下作用
─アンダーソンらによる臨床実験から─
1995年、アンダーソンたちは38件にもおよぶ、 ヒトを対象とした血中脂質についての臨床試験の総合比較分析を行いました。
その結果、食事に含まれる動物性タンパクを大豆タンパクに置き替えると、総コレステロール、中でも悪玉コレステロールのLDL及び中性脂肪のいずれも、 明らかに低下するということが分かりました。総コレステロールは9.3%、悪玉コレステロール(LDL)は12.9%、中性脂肪は10.5%低下しています。 同時に、大豆タンパクは悪玉コレステロール(LDL)と善玉コレステロール(HDL)の比率をも改善しているという結果が出ています。
では、これほどまでにコレステロール低下作用が強力な大豆タンパクを、もともと総コレステロールが正常、あるいは、むしろ低めという人に与えた場合、コレステロールが下がりすぎるという心配はないのでしょうか。
ここが大豆タンパクのすごいところでもあります。もともとのコレステロール濃度がちがう4人の被験者で、血中脂質についての試験を試みたところ、 はじめから総コレステロールおよびLDL(悪玉コレステロール)が高い人ほど大幅に数値が下がり、正常範囲あるいはコレステロール値が低めに人には、 変化が小さいことが分かっています。
つまり、コレステロール値が高い人ほど、大豆タンパクの効果 が大きく現れるということです。また、 別の実験ではコレステロールの高い食事をするときに、大豆タンパクを同時に摂取することで、血中コレステロールの上昇を抑制する可能性を示唆する結果 も出ています。

では、なぜ大豆タンパクはコレステロール値を下げることができるのでしょうか。
このメカニズムについてはさまざまな論文が発表されていますが、最も有力な説といわれて いるものは、「酸性および中性ステロールの吸収の抑制と排泄の促進」が引き金になっているというものです。少々むずかしく思えるかもしれませんが、 食べ物からとった脂肪が体内に吸収されていくしくみと、大豆タンパクがうまく結びついて起こる現象と考えれば分かりやすいかと思います。

では、ここで口から入った脂肪がどのように体内に吸収され、移動しているかを簡単に説明しましょう。
血液中の脂肪の主なものは、中性脂肪・コレステロール・リン脂質の3つです。 このうち中性脂肪とコレステロールは水には溶けません。つまり血液にも溶けない、ということですから、このままでは体内を循環することができないわけです。 そこで、このアブラを運ぶはたらきをするのが、アポタンパクという水にも油にもなじむタンパク質です。アポタンパクは、脂質とくっつくとリポタンパクと名前を替えますが、 大きさや含まれているものによっていくつかのタイプに分けられます。代表的なものとしてはカイロミクロン、VLDL(超低比重リポタンパク)、LDL(低比重リポタンパク)、 HDL(高比重リポタンパク)などがあります。

人の口から入った脂肪は胃や腸で消化され、小腸で胆汁酸と合わさりミセルになります。 このミセルが小腸で吸収されて先ほどのカイロミクロンになり、さらに肝臓に運ばれてVLDLやLDLに変えられるのです。 一方、大豆タンパクには脂肪となじみやすい性質がありますから、脂肪を摂ったときに大豆タンパクを一緒に摂ると、 大豆タンパクがコレステロールや胆汁酸と結合して、小腸からの吸収を抑えてくれるわけです。
また、肝臓では胆汁酸の合成がたくさん行われるようになり、 小腸への分泌が増えます。さらに、肝臓でもLDLコレステロールの取り込みが促進されるので、血中のLDLコレステロールが多く利用されるようになります。

ご存知のように、LDLは悪玉コレステロール、HDLは善玉コレステロールと呼ばれていますが、これはLDLが肝臓でつくられたコレステロールを身体の細胞に運んでしまうのに対して、 HDLは各細胞で必要ないとされた余分なコレステロールを、逆に肝臓に戻すはたらきをしているからです。つまり、LDLが多いと血管の壁にコレステロールがたまりやすくなるのですが、 HDLが多ければたまったコレステロールも一緒に肝臓へ持っていってくれるわけです。
このように大豆タンパクを摂ることによって、脂質の小腸からの吸収を抑えることができます。 また、血中のLDLが肝臓のはたらきを助けるためにたくさん使われるので、自然とHDLの比率が上がり、動脈硬化を防ぐはたらきがあると考えられるのです。

資料参照:大豆たん白健康情報センター


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